データにみる欧州と日本/日本の失業・貧困/ワーキングプア大国という記事が載っていました。
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日本で「ワーキングプア」の基準とされる年収200万以下の給与所得者の割合は23%。一方、平均収入の60%未満が一般的に「ワーキングプア」の基準とされているEU27カ国のワーキングプアの割合は、平均で給与所得者の8%です(2007年)。
日本で失業した場合、失業給付の受給に最低でも7日間の待機期間があり、自己都合退職などの場合では3カ月の受給制限期間があります。欧州の多くの国は、失業した日から受給できます。
また失業給付の最長受給期間は11カ月ですが、欧州ではより長い国が多くあります。
さらに日本では、失業者の全員が失業給付を受けているわけではありません。非正規労働者の58%が雇用保険未加入で、失業給付を受けていない失業者が77%もいます。
うむ。日本の労働環境の悪さ…。給与が低く、失業給付も不十分。…77%も失業給付を受けてないとなると、何のための雇用保険なのかよくわからなくなりますね。
さて。
いやいや。話は、大きく変わってサッカーのこと。
4年に一度のワールドカップも開かれています。日本も決勝トーナメントに残っていますし、ぜひがんばってほしいところですが。
サッカーの分野でも、欧州と日本の環境の違いというのは大きな隔たりがあります。
特に、子どものころからの育成に定評のあるオランダ。…昨日も勝ってベスト8に残り、「優勝候補」の一角に名を連ねます。
いやー、しかし、オランダのサッカー環境というのはとにかくすごい。
なんといっても芝のグラウンドがいたるところにある。
オランダの人口が1600万人ほど、広さは関東一円とほぼ同等。その中に、2万以上のクラブチームがあり、それが、芝のグラウンドとクラブハウスを持って…プレー人口も100万人を超える。
芝でのプレーというのは、怪我を防ぐ意味でも大事だし、土と違ってボールがイレギュラーしないなどのプレー面での違いもあります。小さな頃からこんな環境でプレーをして、大人になってもアマチュアのチームであっても芝でプレーをする。
コーチもしっかりとコーチライセンスを持っている人が多い…。
うーむ。この分厚いプレー人口、良好な環境が、オランダサッカー=トータルフットボールを支えているわけですね。
で、頭の話に戻るんですが、労働環境の違いも実は、この分厚いプレー人口や2万のクラブを支える意味で影響しているのだと思います。
週末には、老若男女がサッカーができる労働環境。また、毎週スタジアムに行って、プロの試合を観戦できるような労働条件…。
今の日本にも熱心なクラブチームのサポーターもいるし、生涯サッカーをやってるプレーヤーもいるだろうけれど、はたして、ワーキングプア状態で、毎試合、毎試合、試合に行けるのか、生涯サッカーをやり続けていけるゆとりがもてるのか?
続けたくても続けられない人は多いのではないでしょうかね…。
歴然としてある欧州と日本の労働環境の違い。
これは、大きな視点でみれば、サッカーの質の違いとなってワールドカップの舞台では確実に出てくることでしょう。
日本がワールドカップで優勝候補と呼ばれるほどになるには、おそらく近道はなく、そういう環境も含めて、すべての面でスポーツ文化が大事にされる土壌が育たないといけないだろうなあ、と。そんなことを、ワールドカップの試合を見ながら思っている次第です。
いや、まあ、とにかく。アジアサッカーの唯一の生き残りとして、日本代表にはひとつでも上も目指してほしい。現時点での力を出し切ってほしい…。
そして、やはり、さらなる大きな飛躍のためには、もっと、根本的な部分から、変えていかないと。ということを、多くの人に考えてもらいたいと思いますねー。
ではでは、また。
3 コメント:
日本のベスト8進出は南米の壁に阻まれてしまいましたね。
深夜までみんなで証紙貼りながら声援を送っていましたが、残念です。
南米のサッカー環境なんかについてもぜひ考察をしていただけると面白いと思います☆
南米サッカーは、なんといっても競技人口の裾野の広さがあります。クラブは下部組織をもち才能の発掘が盛んですが、だいたいは資金を持つ国内のビッグクラブに集約されていきます。
さらに、一部は青田買いのような状況で、欧州のビッグクラブとの契約を早い段階でします。これはアフリカも似たような状況で、FIFAは18歳までの海外移籍を原則禁止してますが、契約は先にしておいて、18歳になったら移籍という形が目立ちあまり実効的な規則になってません。
ただ、そうして欧州に移籍した選手が、その国の国籍を取得してその国の代表選手になったりもしていて、南米サッカーは世界のタレントの供給源といえるでしょう。
まあ、ボールひとつできるサッカーはプレーしやすく競技人口が多いということです。
なるほど!ありがとうございました☆
ちなみに僕やってたレガッタは艇、オール、整備された河川がないと競技が成り立ちません。
なのでヨーロッパのように社会的に文化を重視するお金(税金)の使い方をしないと競技人口は広がりません。
日本は寂しい限りです(;д;)
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